喉頭乳頭腫は、声帯やその周囲に“いぼ”(乳頭状)のようなできものが生じる病気で、子宮頸がんや尖圭コンジローマ、耳鼻咽喉科領域だと中咽頭癌に関わりのあるヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが主な原因とされています。
喉頭乳頭腫は、基本的に良性の腫瘍ですが、再発しやすいことが最大の特徴です。 ここでは、喉頭乳頭腫に対して、ポイントを整理してまとめたいと思います。
喉頭乳頭腫とは
声帯や気道に、表面がデコボコした小さな腫瘍(乳頭腫)ができる病気です。
基本的に良性腫瘍であり、癌ではありません。※稀にですが、悪性化することがあります。
多発性で再発しやすいため、治療後でも継続的な経過観察が必要です。
年齢によって
・若年型(主に1〜6歳):気道が狭く呼吸症状が出やすい
・成人型(30〜50歳):声がれが中心 と特徴が異なります。
なぜ起こるの?(原因)
主な原因は HPV(ヒトパピローマウイルス)感染です。HPVには200種類の型(タイプ)があります。そのうち、喉頭乳頭腫には6型、11型が関与していると言われています。
• 小児:出産時の母子感染が多いとされています。産道感染
• 成人:性的接触による感染が多いとされています。性感染
また、喫煙、胃酸逆流、声の酷使など、声帯への慢性的な刺激が悪化要因になることがあります。
どんな症状が出る?
乳頭腫の大きさや場所によって症状は変わります。よくみられる症状としては、
・声がかすれる(嗄声):最も多い症状。
・声が出しにくい・声量が落ちる
・のどの違和感・軽い咳
・息苦しさ、ゼーゼーする呼吸音(喘鳴)
※特に小児で注意が必要です。 症状が進み、空気の通り道が塞がれていると、声がほとんど出なくなることもあります。
診断方法
耳鼻咽喉科で行う検査が中心です。
・喉頭内視鏡(ファイバースコープ)で直接観察する
・必要に応じて組織検査(生検)で性質を確認する
治療について
根本的にウイルスを消す治療はまだありませんが、腫瘍を取り除くことで症状を改善できます。
➀ 経過観察
乳頭腫に適応のある薬剤はなく、症状が乏しい場合には経過観察すること もあります。
➁ 手術
口から器具を入れて腫瘍を削り取る治療です。しかし、再発しやすいた め、複数回の治療が必要になることがあります
※気道が狭い場合
呼吸が苦しいほど腫瘍が大きい場合は、緊急で気道確保(気管切開)が必要になることがあります。
予後(病気の経過)
喉頭乳頭腫は、ごく一部で悪性化(癌化)が報告されていますが、頻度は低いです。再発が多いため、長期的なフォローがとても大切です。
予防できる?
完全に防ぐ方法はありませんが、
・HPVワクチン(6型・11型対応)が発症・再発を減らす可能性が示されています。
・成人では禁煙・節煙、のどへの刺激を減らす生活が有効です。
まとめ
喉頭乳頭腫は良性の病気ですが、再発しやすく、長期的なケアが必要です。
適切な治療と定期的な診察により、症状をコントロールしながら生活することが大切です。
声の変化や息苦しさが続く場合は、早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。
患者様一人ひとりの状況に合わせて、最適な治療方針を一緒に考えていきます。
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