前庭神経炎ってどんな病気?

 耳の奥には「前庭」「三半規管」という、体のバランスを保つための大事な器官があります。この2つの器官から得られた情報を脳に伝えるのが「前庭神経」です。  

 前庭神経炎は、この神経が炎症を起こすことで、脳に誤った情報が送られ続けてしまう病気です。 主に50歳前後の方に多く、はっきりした原因は分かっていませんが、風邪などのウイルス感染などが関与していると考えられています。

       

どんな症状が出るの?

 主な症状は「強いめまい」のみです。強いめまいにより自律神経が刺激され、気持ち悪さが出ることもあります。

 耳鳴りや難聴などの「耳の症状」や、手や足に力が入らないなどの「脳神経症状」は伴いません。

 めまい症状は長期間におよぶことが多く、次のような経過をたどります。

・急性期(発症から約1週間)

  強いめまい、吐き気、立てないほどのふらつきがあります。

・回復期(数週間)

  めまいは軽くなりますが、歩いたときのふらつきや疲れやすさが残ります。

・後遺症(個人差あり)

  ふらつきや「平衡感覚の弱さ」が長期間残ることがあります。

どうやって診断するの?

 当院では、症状の経過めまい症状の程度および眼球の揺れ(眼振といいます)を確認して診断します。

 また、可能であれば、聴力検査で難聴がないことも前庭神経炎を疑う所見になります。

 必要に応じて、総合病院で平衡機能の検査を追加する場合もあります。

治療は?

 基本的には、安静と症状を和らげる治療(対症療法)を行い、前庭神経の炎症が落ち着くのを待ちます。

  ・安静:めまい症状が強い間は、無理せず安静に過ごします。

  ・薬剤:吐き気止め(制吐薬)やめまい止めの薬剤・点滴を処方して少し でも楽に過ごせるようにします。

 当院では、めまい治療の点滴も行っており、患者様の状態に応じてご提案させて頂いております。

 めまい症状が強すぎて自宅療養が難しい場合には、高次医療機関への紹介をご提案することもあります。

 めまい症状が落ち着いてきたら、できる範囲で体を動かして頂きます。

  ・リハビリ:少しずつ体を動かして脳がバランスを取り戻すことを促します。

        日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会による「慢性めまいのリハビリテーション」動画(You tube)を参考にして頂ければ幸いです。

治療後の経過

 多くの方は時間と共に平衡感覚の補正が入って症状の改善が得られます。

 ただし、人によっては、ふらつきが長引くこともあります。

まとめ

・前庭神経炎は「平衡感覚を司る神経の炎症」で起こる病気です。

・強いめまいで始まり、数週間程度の経過で回復していくことが多いです。

・薬で症状を抑えるだけでなく、リハビリがとても大切です。

        気になることがありましたら、お気軽にご相談下さい。

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