口腔乾燥症とは、唾液の量が減ったり、唾液の質が変化したりすることで口の中が乾燥する状態を指します。
唾液は、口の周りにある唾液腺(耳下腺、顎下腺、舌下線の3つの大唾液腺と口腔内の名前のない小唾液腺)でつくられ、口腔内に分泌されます。 唾液が口腔内に分泌されることにより、食べ物を飲み込みやすくする・むし歯を防ぐ・細菌の増殖を抑えるなど、口の健康を守ることができます。そのため、乾燥が続くと口の中のトラブルが起こりやすくなります。
なぜ口が乾くの?原因は?
口腔乾燥症の原因は大きく3つに分けられます。
① 唾液腺そのものの障害
・シェーグレン症候群
自己免疫性疾患で、唾液腺にダメージを与える病気です。
・頭頸部への放射線治療
照射範囲に唾液腺があると、影響を受けてしまいます。
・加齢による唾液腺機能の低下
・慢性的な唾液腺炎
唾石症や、繰り返す唾液腺の感染症など唾液腺の疾患により唾液腺の分泌能が低下します。
② 神経・薬剤による影響
・ストレスや緊張状態
唾液腺は自律神経(副交感神経と交感神経)により制御されています。
副交感神経により水分の多いサラサラした唾液、交感神経により粘性の強い唾液が分泌促進されます。
ストレスや緊張状態では、交感神経が活性化し口の渇きを感じやすく なります。
・神経疾患
神経系の病気である、パーキンソン病やレビー小体型認知症は自律神経に障害を起こし、唾液の分泌に影響を与えます。
・薬剤性
抗うつ薬、抗不安薬、降圧薬、抗アレルギー薬などの副作用として唾液の分泌が低下する場合もあります。
③ 全身の病気によるもの
糖尿病、腎障害、甲状腺疾患などの症状により、脱水を生じると、唾液の分泌が低下してしまいます。
どんな症状が出るの?
唾液が減ると、次のような症状が現れます。
・口が乾く、ネバネバする
・舌や粘膜がヒリヒリする
・食べ物が飲み込みにくい
・話しづらい
・味が分かりにくい
・口臭が気になる
・むし歯や歯周病、唾液腺炎など口腔内の感染症が増える
乾燥が続くと、口腔機能が低下し、栄養状態や全身の健康にも影響することがあります。
どのように診断するの?
口腔乾燥症の診断には、以下の検査が用いられます。
・ガムテスト:ガムを10分噛んで唾液量を測定
・サクソンテスト:ガーゼを2分噛んで重さを測定
・唾液腺の画像検査(超音波検査など):唾液腺の状態を評価します。
・血液検査:シェーグレン症候群や糖尿病の有無を確認します。
治療とセルフケア
口腔乾燥症は原因によって治療が異なります。
① 原因への治療
・糖尿病・貧血などの治療
・薬剤の変更・減量(該当する薬を処方している医師と相談)
・ストレス対策
② 対症療法(乾燥そのものへの対策)
・唾液分泌促進薬
・漢方薬
・人工唾液・保湿ジェル
・唾液腺マッサージ
・こまめな水分補給
放置しないことが大切です
口の乾燥をそのままにしておくと、唾液腺の機能がさらに低下し、症状が悪化することがあります。「最近、口が乾く」「話しづらい」「むし歯が増えた」などの症状があれば、早めに耳鼻咽喉科に相談してください。
まとめ
口腔乾燥症は、加齢・薬剤・ストレス・全身疾患などさまざまな原因で起こります。
乾燥は単なる不快感だけでなく、口腔機能や全身の健康にも影響するため、早期の診断と適切なケアが重要です。
生活習慣の見直しや保湿ケアを行いながら、必要に応じて医療機関で相談しましょう。
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